私達が暮らす十勝は、先人が飢えや寒さに耐えながら開拓した広大な大地と素晴らしい自然環境のもと日本を代表する食糧供給基地となっています。しかし担い手の減少や高齢化の進行そして労働力が不足するといった問題に直面し、機械化を促進することや大規模農業経営を展開することにより、その生産力向上を図っているところです。酪農においても1戸当たりの牛の頭数は増加しており、その飼養や搾乳の機械化、そして大量に発生するふん尿のバイオガスプラントによる効果的で効率的な処理が求められています。
2011(H23)年3月に発生した東北大震災の翌2012(H24)年、再生可能エネルギーによる発電を促進するため、電気の買取価格を保証する「固定価格買い取り制度(FIT)」がスタートしました。これにより道内でも大規模太陽光発電を中心に再エネの導入が急速に拡大していますが、送電網の受入容量が限界に近づき今後の接続が難しい状況になっています。このため計画中のバイオガスプラント建設への影響が生じているところであります。
バイオガスプラントは、大規模化する酪農業を支える基礎的な生産基盤であります。また2018(H30)年9月の胆振東部地震でのブラックアウト等による生乳の損失を踏まえ、災害に備えた生産基盤としても大変重要なものになると考えております。
弊社は創業以来、建設業として良質なインフラ、建物やサービスの提供を行うことに務め、2018(H30)年12月に60周年を迎えました。この年の4月、兼職による2名体制ではありますが、社長直結の「バイオ関連事業推進室」を設置いたしました。
当室ではこれまでお世話になった十勝への恩返しとして、主に乳牛のふん尿によるバイオガス関連事業を取り巻く環境、経済、エネルギーなどの社会経済情勢や課題を考察し、会社としてのナレッジマネジメント力向上に努めているところです。
〔常務執行役員 山田〕